桜あそび


 サクラの本を書こうと思ったきっかけは、さくら染の作品展を開いていた時、ある女性からさくら染めとは誰でもできるのでしょうかと声をかけられて、その染め方を教えたのがきっかけです。その人は、実家に亡き母親が愛したサクラがあって、その木を処分せねばならない時に私の作品展にであったそうです。
 さっそく彼女は染色を試みて,その感動を知らせてくれました。彼女からは、染色が想像していたより簡単で楽しかったことや、母との思い出を自分の傍に残せることに満足されているのを聞いて実に嬉しかったです。

 さくら染の展示会を開く度に感じるのですが、お客様からはサクラとお思いでや身の上話まで、サクラを介して話が尽きないので、サクラは心をバリアーフリーにする花だと感じます。しかし暫くしてみると、人はある一定の時期に咲いた花への思い出を重ねていているだけであって、サクラの木や花に興味があるわけではないと気づきました。

 私が伝えたいのは、日本中のサクラ並木や老木が傷んでおり、このままだと私たちが永らく愛してきたサクラに関する文化を未来に伝承できなくなるから、傷んだサクラを手入れして、大事に守り続けていきたいということです。そこで第一歩として「サクラを思い出だけの花」でなく「現実の花」として、もっと身近に感じてもらい、サクラを愛でる視点を広げていただくきっかけにしたいと思いました。その為、さくら教室ではだれもが入手できる落ち葉を使った染色や料理、工作など、子供でも高齢者でも共にできる遊び方を提案しているので、そのことを本に書きました。

  出版後に多くの人からお手紙をいただき、中にはサクラを見に来るようにとのお誘いもありました。訪問させていただいて共に花見を楽しんだこともあります。このように、サクラのお蔭で、多くの出会いと発見が今でも継続しています。


目次

第1章 見る
私の桜の楽しみ方
桜の名所
桜の品種について
桜の種類について
「染井吉野」だけではない日本の桜 花弁について
色について
桜の実について
桜の葉と枝
My桜をもとう
おうちで花見をしよう
第2章 食べる
第3章 作る
  桜を食べてみましょう
桜ご飯
桜湯
桜餅
葉を煮ましょう
「大島桜」の葉の塩漬け
桜の花の塩漬け
桜酒
桜ゼリー
桜豆腐
桜ソルト
桜パスタ
  思い出の桜をのこすとっておきの方法
染めてみましょう
こんなに違う染め色
染め方
ハンカチを染めてみましょう
国立の桜の思い出を残す
桜染めのフェルト
紙を染めてみましょう
紙について
枝であそぼう